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2004年12月20日

東京の富士塚

千駄ヶ谷にある 鳩森八幡神社の富士塚です。

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富士山信仰の富士塚は各地にありますが、都内の中ではこれは大規模な方だと思います。
岩をふんだんに使って作られており、頂上付近は富士山の溶岩だそうです。実際に登れるというところが大きな富士塚の醍醐味でしょう。岩で階段が作ってありますが、山自体が険しい作りになっているのと、階段の幅が少々小さいのでちょっと登りにくいかも。富士塚に登るという行為は富士登山に準えているとの話を聞いたことがあります。あえて険しく作ってあるのかもしれません。

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中腹の脇道には地蔵さん(?)もあります。石仏自体は新しいもののようです。

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そして頂上には祠。

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奥宮と呼ぶようです。私はこの頂上を見慣れていたせいで、品川神社の富士塚に登った時にはまっさら平らな頂上にどうにもこうにも物足りない気がしたものですが、富士塚というのは頂上が真っ平らなもの方が多いようです。確かに、実物を模するとそういう形になりますものね。ここではあえて形にこだわらず、富士浅間神社を模すことを選んだのでしょうか。
頂上から社殿を見ます。

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この富士塚は江戸時代に作られたようですが、大正12年の関東大震災で崩れてしまったそうです。しかしすぐに修復にとりかかり、なんでも富士山まで岩を取りにいったそうな。震災後、まだ街も復興中だったと思うのですが、当時は信仰心が強かったのでしょうか。その実行力と熱心さには驚きます。その時の石碑です。実はこの裏には私のご先祖様の名前も。

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岩の間にはクマザサが植えられていますが、周辺にも数々の植物が配置されていて、風雅な庭のようにも見えます。これは昭和40年代頃、裾野付近を整備した際にツツジなどを植えて以降、神楽殿の新築などに合わせて手を加えていったものと思われます。以前は小さい川に水が流れて、池にはショウブの花が咲いていた事もありました。現在は池が干上がっているのが残念です。
正面からは見えませんが、塚の裏にはお稲荷さんが裾野に張り付くように併設されているのもこの富士塚の特徴かもしれません。

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この鳩森神社の富士塚と品川神社の富士塚は塚に付けてある道や階段がよく似ています。実物の富士山の参道と同じなのでしょうか。追々他の富士塚も回ってみたいと思っています。